WEBデザイン・プログラミング関連の
情報発信を手掛ける STAND4U

HOME > WEB制作 > WEB制作コンペの勝率を上げる!具体例付きWEBデザインのポイントと戦略!!

WEB制作コンペの勝率を上げる!具体例付きWEBデザインのポイントと戦略!!

WEB制作のコンペに参加しても全然勝てない!
コンペ費用も出ない中、どうやったら勝率が上がるか知りたいー!

僕たちWEBデザイナーは、代理店からのコンペデザインの依頼や、一般公募しているコンペに自ら参加する機会も多い中、誰もが必ず通る、コンペに勝てないという大きな壁!

今回はWEB業界歴18年の筆者が、コンペの勝率を上げる方法と戦略と体験談を公開しよう!参考にして頂いて、是非勝率アップしてほしい!

[景品表示法に基づく表記] 本コンテンツにはプロモーションが含まれています。

新人の時、始めての「WEB制作コンペ」で勝利した時の話!

僕がWEB業界に入って間もない頃、50万円前後の小さな行政案件のコンペを、任された。

新人の登竜門的な感じで任されたので、企画から取材、デザイン、撮影、プレゼンまで全て自分一人でやった。

公募内容は、某市の外国語サイトで「海外から来た人にその土地で楽しんでもらう為の企画サイト」といった内容で、現在でいうインバウンド的なサイトになる(当時インバウンドという言葉はまだ一般的で無かった)。

そこで僕が考えた企画は「某市の観光名所を散歩して回るコース(5コースくらい)を消費カロリーと共に動画とマップで紹介する」というもの。

当日フルflashサイトがもてはやされた時代、Flashを使ってルートを動きをつけて表示して、消費カロリーもカウントアップさせながら、部分的に絶景ポイントを動画で見せるというもの。

※デザインは約17年前の新人時代のものなので、おそまつなのはご愛嬌…

コンペで勝つ工夫として、行政ならではの細かい点に配慮しようと思い、全てのコースを「車椅子でも散歩できるように」階段を使わずにいけるルートを、自分で歩いて探し回った!さらにワンポイント日本語講座など、訪日している方に便利なツールなどをプラスした。

プレゼンでは、資料を見て読むのではなく、全て「自分の言葉」で説明した!自分で全て作ったので、担当者に僕の熱い思いが伝わったのかもしれない。

人生初のコンペ案件のプレゼンで「結果はめでたく勝利!!!」競合は6〜7社だったが、入社したばかりの新人の僕が本気でやれば、業界のプロ達相手にでも勝てる!という自信がついた案件だった。

ただし、勘のいい人なら分かると思うが、この内容で50万円だと正直赤字である。

ただ、この案件は儲けるというよりは、教育という意味合いで、50万以上の経験値を得る事ができたので、当時の社長も大目にみてくれた。

某都道府県WEBサイトのコンペに勝率した時の話!

もう1件は超大型案件、こちらも行政案件だが某都道府県サイトのフルリニューアル。

これは流石に一人では無く、某最大手代理店様とチームを組んでのコンペ。僕が担当したのも一部だが、企画書も数十ページに渡る膨大な量。

デザインは突飛なデザインというよりは、行政が好みそうな安定したわかりやすいデザイン。

徹底して「ユーザービリティ」と「アクセシビリティ」に配慮しながら、安心してサイト作成を任せてもらえるという雰囲気を全面に出したプレゼンだった。行政系の人にはこういった「安心して任せられる」という感じが重要!企業と違って利益をアップさせる!というよりはどちらかと言うと、無事にWEBサイトが公開される方が望まれる傾向にあると踏んでいる。

企画書のデザインクオリティも最大限配慮し、パワーポイントで簡単に作るのでは無く、全てデザイナーがイラストレーターで気合いを入れて作るという代物。

こちらもめでたく大勝利!約1000万円超級の大型案件だったので制作も大変だったが、良い経験をさせてもらった。

コンペのWEBデザインで勝率を上げるポイント!

ではここで、WEBデザイン・制作コンペに勝つためのポイントをあげていこう!

競合が多いコンペの場合は、奇抜なデザインで攻めてみる!

コンペによっては、競合する参加企業が多くて、普通にやったら勝てる確率も少ない場合は、多少でも奇抜なデザインで攻めるのがいい!

競合するライバルの会社達も、ある程度はキレイで見やすいWEBデザインを当たり前のように作ってくる。要件を満たしてライバルサイトを調査して、流行りのデザインに落とし込んでいけば、おのずと「似通ったデザイン」になっていまうのです。

審査をするコンペの主催者からすれば、同じようなデザインを何度も見ることになるので、いくらキレイで見やすいデザインでも、印象として埋もれてしまうのである。

そこでライバルが多いコンペの場合は、すこし奇抜なデザインで攻めるのもひとつの作戦である!もちろんユーザーを無視した奇抜すぎるデザインはNGで、絶対勝てるわけではないが、あくまで勝率を上げる手段のひとつと言って良いだろう。

余裕があれば「無難なデザイン」と「奇抜なデザイン」の2案出すのも一つの方法ではあるが、2案出すのはリスクもある。

どういう事かというと、企画書の流れとして、デザインの方向性をある程度「論理だてて」デザインしていく上で、まったく違う方向性のデザインを出すという事は「コンセプトがブレている」と取られる可能性もあるからだ。2案出すのであれば、2案出す明確な理由と意図を上げる必要があるだろう!

ただし、奇抜なデザインというものは、基本的なデザインスキルがある上での奇抜さが出せるのであって、デザインの基礎ができてないうちは奇抜なデザインは難しいだろう!

まだ基礎的なデザインに自信が無いという方にはこちらの記事を参考にしてみよう。

美しいWEBデザインの作り方と9つのポイント

コンペの企画書で勝率を上げる戦略

コンペにかならず必要な要素として、企画書がある。企画書はWEBサイトを作る上でのコンセプトや考え方・デザイン・スケジュール・費用まであらゆる要素をまとめるものだが、その企画書が審査の60%以上を締めているといっても過言ではない!では少しでも勝率を上げるにはどういう工夫をすれば良いのだろうか?

コンペは「企画書のデザイン」から本気を出す!

まず、冒頭の成功例にある通り、気合いを入れて取りに行く案件なのであれば「企画書のデザイン」を本気で作るという事から始まる。
パワーポイントなどの簡単なテンプレートで作るのではなく、オリジナルの企画書デザインをイラストレーターなどをつかってゴリゴリに仕上げるのも一つの作戦だ。

審査する側も企画書のデザインが美しいだけで、この会社は「デザインに対するこだわりが違うな!」という印象を持ってもらえるからだ。

提案できない内容は、なぜ提案しないかを提示しておく

コンペの企画をする上で、いろいろと提案できる要素はあるが、予算と時間に限りがあるので、すべてを提案できるわけではない。提案したいが、なくなく削る要素があるのであれば、その提案内容を思いつかなかったのではなく「あえて今回はその要素を提案しないんですよ」といった具合に、その理由も添えて記載しておくと良い。

わかりやすく言い換えると、例えば「新着情報をCMSで作る」事ができるとして、予算の都合上CMSを入れると厳しい場合は「CMSを入れるという選択肢もありますが、御社のサイトの場合CMSを入れるほど更新頻度もすくない上、予算を割いてCMSを入れる費用対効果も見込めませんので、今回はあえてはずしています。」といった感じだ。「必要であればオプションで提案できます」と添えると尚いいだろう。

予算をできるだけ抑えて、必要なものはオプション価格で表示する

コンペの審査で重要な要素のひとつとして、予算がある。コンペ予算は予め金額が決まっているものもあれば、予算も含めて提案するしないといけないものもある。

後者の場合は、予算をできるだけ小さく見せる工夫も必要である。なぜならせっかく良い提案でも、値段を見ただけで、企画書すら読んでもらえないという事態をさける為だ。

値段が高くなるのは理由があるので、提案としてはいろいろと並べておいて、必要な提案だけをチョイスしてオプションとして足してくださいといった具合にしておくと、予算で足切りされる可能性が減るだろう!

コンペのプレゼンには「男女複数人」で参加しよう!

企画書ができたら実際にプレゼンに臨む。当たり前の事だが、小奇麗な服装で「自信をもった表情でプレゼン」をするのも重要な演出だ。さらに、プレゼンに参加する際は、男女複数人で参加しよう!

少人数で行くと、審査する側は、なんとなく「本当にこの会社大丈夫なのか?」という心配をされてしまう。また男女で行く事により、いろんな人の意見が反映されて、しっかりした会社といった雰囲気を持ってもらえる。

あくまで演出でしかないが、せめて3人以上で行くのがいいだろう。

 

WEBデザイン・制作コンペに参加するタイミング

やった人ならわかるが、コンペは全部勝てるわけではない!むしろ負ける事の方が多いだろう。感覚値ではあるが、勝率が良くても30〜40%だろう!

では何が重要かというと、WEB制作コンペに参加するタイミングとコンペに期待する意義である。どういう事かというと、WEB制作コンペなんていうものは、正直負ける確率の方が高いのである。

つまりコンペ費用が出ればまだいいが、費用が出ない場合は、そのコンペデザインや企画書を作る時間がすべてタダ働きになるのである。だから「勝てば御の字」というくらいの姿勢で望むべきであり、負ける事を想定内に受ける事も必要なのだ。

そういう意味でいうと、WEB制作コンペに参加するタイミングとしては、通常業務が比較的空いていて「時間がある時」やWEB制作会社の場合「デザイナーやプランナー」にスケジュールの空きがある場合などにコンペ案件を埋めるといったぐらいがちょうどいいのだ。

逆に言うと「決して繁忙期に無理して参加するべきではない!」繁忙期に参加すると、クオリティも下がる上、本業にも悪影響をもたらし、本人の精神的消耗も激しいからである。勝てばもちろんいいのだが、繁忙期にコンペに参加する事自体勝率はぐっと下がると言っていいだろう!

WEBデザイン・制作コンペに参加する意義

前述したように、WEBデザインコンペというものは負ける確率の方が高い。ではなんのために参加するのだろうか?

ユーザー目線でWEBデザインを考える良い機会となる

WEB制作会社をはじめ、受託制作をしているクリエイターにとって、WEB制作コンペというものは、効果的なWEB構築を考えたり、ターゲットユーザー目線でじっくり考える良い機会なのである。

どういう事かというと、受託制作を行っている会社のほとんどが、大なり小なり「クライアントが欲するもの」を作っているという現実がある。

それはクライアントがほしいものであって「ユーザーがほしいもの」と完全にイコールではないのである。もちろんある程度はユーザー目線での提案や調整も行うが、受託制作を行っている大半のクリエイターは「納品を優先」させるため、なくなくクライアントの言われるがママのものを作っている場合が多いのである。

そこで時間に余裕ができた時に、あらためてコンペという場を借りて、ユーザー目線で考えぬいた企画やデザインに対する考えを巡らせ、企画書にしたためるという行為自体が、勉強になる。

また、そこで作成した企画書は、貴重な資料となり再利用できる場面が多いのである。

WEBデザインの「新人教育」の効果的な機会

WEBデザインコンペというものは、冒頭の成功体験でも語ったように、新人クリエイターにとって「WEB制作とはどういう考えで作るべきか」という課題に対する、もっとも効果的な機会といってもいいだろう!

自分でユーザーの事を考えて、ペルソナをたてて、ユーザーの行動を想像し、どんなデザインが効果的か、どんな企画が必要か、どんな流れでページを遷移させるか、などとWEBサイトを作る上で必要な要素をすべて、自分で考えて勉強できるからだ。

さらに全力で考えて作ったものが、実際にコンペという場で評価されるという。勝てば自信になるし、負けても自分に課題ができたり、その悔しさをバネにでき、そこでの経験が大きく新人を成長させるからである!

そこで、WEB制作会社などは、時間に余裕があればまずは、新人に骨子づくりから全てを任せてみよう!よければそのままやらせれば良いし、多少のアドバイスや直しを与えででも、全てをやりきらせてあげるのが良いだろう。

ただ、お世話になっている代理店や企業からのコンペ依頼の場合は、新人に任せた実験的な事はできないので、途中からベテランと交代したり、完全に最後までサポートしてあげないといけない。

新人教育に向いている案件としては、いつもお世話になっている代理店などとは全く関係の無い「一般公募制のコンペ」などであれば、遠慮なく勉強できるので、ちょうどいいのではないだろうか。

コンペに負けた時にその作業を無駄にしない方法

何度も出てくるが、WEBデザインコンペというものは、負ける確率の方が高い。そう考えると、負けた時にどうするかで、それまでの作業が無駄になるか、それとも良い経験となるかが変わってくる。

まず負けた時に「なぜ負けたのか」「何が足りなかったのか」をチーム内で共有する必要がある。一番良いのは、コンペの主催者に敗因を訪ねたり「配点や結果が公表される」コンペであれば、それをちゃんと分析して次へ活かすための材料にすべきである。

また点数などが公表されない場合であっても、数ヶ月後には、勝利したチームのWEBサイトが「本番公開」される日が来る。それを見て分析する事で、勝利したチームと何が違ったか、どうすべきだったのかが、確認できるだろう。

出来レースのコンペで消耗しない!コンペの選び方とその考察

WEBデザインコンペというものは、少なからず「出来レース」という悪しきものが存在する。「出来レース」とはどういう事かというと、コンペの主催者側の中で、あらかじめ受注業者が決まっているにもかかわらず、形式上だけでコンペという形をとるというものである。

つまりどんなに良いものを作っても「かならず負ける」というシナリオが参加の前から決まっているのである。

どうしてこういう「許しがたい行為」が行われるかというと、予算規模などによっては入札という形式をとらないといけない法律があり、企業の体裁としてもコンペという形式をとらないといけない場合がある。そんな状況下において、担当者や企業間での政治的・金銭的な理由ですでに「受注が決まった業者」というものが存在し、パフォーマンス的にコンペという形をとることがあるのだ。出来レースは「証拠が出にくい」という点もあり、こういう悪行が萬栄してしまうのだろう。

最悪のケースだと、コンペに参加させるだけさせておいて、企画などをパクられるという悪質なものも存在するので注意が必要だ。

では、出来レースのコンペを避ける方法はあるのだろうか?

どうすれば避けられるかというと、次のような「良質そうな案件」を選ぶと良いだろう。

大手広告代理店や、信頼できる業者やから紹介されたコンペ

大手広告代理店や信頼のおける業者やからの依頼であれば、安心できる案件の可能性が高いだろう。大手代理店の「そのあたりの嗅覚」は優れておりそこは信頼を置く価値があるのと、付き合いの長い業者からくるコンペ案件は、紹介する相手も付き合いも長い事もあり下手な案件は紹介できないからだ。もちろん100%では無いが、お世話になってる企業からの紹介は、繁忙期でなければ、無下に断る理由はないだろう。

予算や審査基準が明確にされていて、結果をすべて公表してくれるコンペ

予算や審査基準が明確にされている場合は、主催者側も下手に不正をできにくい上、良い案件の場合は、審査の採点結果などを細かく公表してくれる案件もある。

ただし、この場合でも決して100%安心はできない。以前このような、採点結果を公表している案件で、あきらかな点数の乖離のある案件があったのだ。1位の業者だけすべての分野でズバ抜けて点数が高く、その業者の名前を見るとみたこともない「財団法人○○○」といった名前だった。ホームページを調べるも明らかにずば抜けて点数が取れるような法人には見えないホームページだった。(もちろん証拠は無いので断言はできないですが…)

競合する参加業者がわかるコンペ

競合する参加業者がわかる案件だと、その業者を知っていればある程度背景などがわかるだろうし、知らない業者や怪しげな業者などを、社名を見れる事で判断材料とできるからだ。知っている業者なら、ぶっちゃけて相談するのもひとつだろう。

参加費が出るコンペ

「コンペ参加費」が出る案件というのは、まともな良質な案件が多い。なにより負けてもちゃんと作業費用(完全では無い場合もあるが)が出るので、損害も少なくて済む。費用も出て良い経験ができれば、むしろプラスといえるだろう。

WEB制作コンペの勝率を上げる!WEBデザインのポイントと戦略のまとめ

ここまでWEB制作コンペについてのまとめとしては、WEB制作コンペは、参加する事自体が良い経験になるという点と、買った時も負けた時もその経験をどう活かすかが今後のさらなるスキルアップへの道の分かれ目となるだろう。


※当記事の掲載内容は執筆現在の個人の見解・調査によるもので、動作・サービス等を保証するものではありません。最新情報は各公式サイトでご確認頂き、購入・契約・データ作成等はご自身の判断・責任でお願いします。 免責事項

関連記事

この記事を書いた人

編集長

WEBデザイン・グラフィックデザイン歴:約18年、HTMLコーディング、jquery、wordpress、イラストなど本業とし、WEBデザインコンサル・プログラミング・ライティング等にも勤しんでいます

プロフィールはこちら

Twitter @stand_4u_ をフォロー

新着記事